ヘルニアが原因のしびれ?見分けるために確認したいポイント
ヘルニアが原因のしびれ?見分けるために確認したいポイント
「病院でヘルニアと言われました」
「脚がしびれるのはヘルニアが原因ですよね?」
腰痛や脚のしびれがある方から、このようなご相談を受けることがあります。
大阪市東成区大今里のキトキト鍼灸接骨院です。
MRIで「腰椎椎間板ヘルニアがあります」と言われると、
「このしびれは全部ヘルニアが原因なんだ」
と思ってしまいますよね。
しかし、画像でヘルニアが見つかっただけでは、そのヘルニアが現在のしびれの原因だとは判断できません。
確認したいのは、
「画像所見」
「しびれている場所」
「筋力や感覚などの神経学的所見」
などが一致しているかどうかです。
今回は、ヘルニアによるしびれを考える時に、どんなところを確認するのか解説します。
そもそも腰椎椎間板ヘルニアとは?
背骨と背骨の間には「椎間板」があります。
椎間板の一部が後方などへ突出し、近くにある神経根を刺激・圧迫することで、腰だけでなく脚に痛みやしびれ、筋力低下などが現れることがあります。
このように神経根の障害によって脚に症状が出ている状態を「神経根症」と呼びます。
ただし、
「ヘルニアがある=必ず症状が出る」
わけではありません。
症状がない人のMRIでも、椎間板の膨隆や突出などが見つかることがあります。
そのため画像だけを見るのではなく、実際に出ている症状や身体の検査と合わせて考える必要があります。
① しびれている場所を確認する
まず確認したいのが、
「どこがしびれているのか?」
です。
腰から出た神経は、それぞれ担当する領域があります。
例えば神経根によって、
太もも周辺。
すね周辺。
足の甲。
足の外側。
足の裏。
など、症状が出やすい場所が異なります。
そのためMRIで確認されたヘルニアの位置と、実際にしびれている場所が神経学的に一致しているかを確認します。
ただし、しびれの場所だけで「この神経です」と完全に判断できるわけではありません。
身体の感覚には個人差もあり、神経の領域にも重なりがあります。
しびれの場所は、判断材料の一つとして考えます。
② 感覚に左右差がないか
次に確認するのが感覚です。
例えば左右の脚を同じように触った時に、
「右だけ感覚が鈍い」
「左と比べると触られている感じが違う」
といった変化がないか確認します。
神経根に障害が起きている場合、その神経が担当する領域に感覚の変化が現れることがあります。
ただし、感覚検査だけでヘルニアを確定できるわけではありません。
他の検査と組み合わせて判断します。
③ 筋力が低下していないか
ここは重要なポイントです。
神経は「感じる」だけでなく、筋肉を動かす働きにも関係しています。
そのため神経根の障害がある場合、
「つま先が上がりにくい」
「かかと立ちがしにくい」
「つま先立ちがしにくい」
など、特定の動きに筋力低下がみられることがあります。
単に、
「痛いから力を入れにくい」
という状態なのか、
神経機能の変化によって実際に筋力が低下している可能性があるのか。
ここも確認する必要があります。
④ 腱反射を確認する
医療機関では膝やアキレス腱などを軽く叩き、反射を確認することがあります。
神経根の状態によっては、
「片側だけ反射が弱い」
といった変化がみられる場合があります。
例えばL4神経根では膝蓋腱反射、S1神経根ではアキレス腱反射などが判断材料になります。
ただし、反射だけでヘルニアを判断するものではありません。
これも他の所見と合わせて考えます。
⑤ 神経に刺激を加える検査
腰椎椎間板ヘルニアが疑われる時によく知られているのが、SLR(下肢伸展挙上)テストです。
仰向けになり、膝を伸ばした状態で脚を持ち上げていきます。
この時に、普段感じている脚への放散痛などが再現されるかを確認します。
ただ、
「脚を上げて痛かった=ヘルニア」
ではありません。
SLRだけで診断することはできず、筋力、感覚、症状の場所、画像などと組み合わせて考える必要があります。
「画像・症状・検査」が一致しているかを見る
ここまでの内容で一番伝えたいところです。
例えばMRIで、
「L4-L5にヘルニアがあります」
と言われたとします。
その画像だけを見て、
「だから脚がしびれています」
とは判断しません。
実際に、
どこがしびれているのか。
どこに感覚低下があるのか。
筋力低下はあるのか。
反射に変化はあるのか。
神経を刺激する検査で症状が再現されるのか。
こうした所見と画像の位置が一致しているのかを総合的に確認します。
腰椎椎間板ヘルニアの診断では、一つの検査だけではなく、問診・身体所見・画像所見などを組み合わせて判断することが重要とされています。
MRIでヘルニアがあるのに症状がない人もいる
ここも知っておいてほしいポイントです。
MRIは非常に有用な検査ですが、画像に異常があるからといって必ず症状があるとは限りません。
症状のない人でも椎間板の膨隆や突出などが確認されることがあります。
だからこそ、
「画像にヘルニアがある」
だけではなく、
「そのヘルニアと現在の症状が一致しているのか?」
を見る必要があります。
反対に、しびれがあるからといって全てがヘルニアとも限りません。
腰部脊柱管狭窄症など、脚にしびれを起こす病気は他にもあります。
こんなしびれは早めに医療機関へ
脚のしびれがある方の中でも、特に注意してほしい症状があります。
・急に脚の力が入りにくくなった
・筋力低下が進行している
・排尿や排便がしにくい、漏れる
・股の間やお尻周辺の感覚がおかしい
・両脚に強い症状が出ている
・強い痛みやしびれが急速に悪化している
このような場合は、整体だけで様子を見ず、速やかに整形外科などの医療機関へ相談してください。
ヘルニアと言われても「身体を確認する」ことが大切
キトキト鍼灸接骨院にも、
「昔MRIでヘルニアと言われました」
という方が来院されます。
そんな時に大切にしているのが、
「ヘルニアがある」という情報だけで身体を決めつけないことです。
いつから症状があるのか。
どこがしびれるのか。
どんな姿勢や動作で強くなるのか。
筋力や感覚に大きな変化はないか。
腰や股関節はどう動いているのか。
立ち方や歩き方はどうなっているのか。
こうした現在の身体の状態を確認します。
整体で医学的な診断をすることはできません。
神経症状が疑われる場合や、医療機関での検査が必要だと考えられる場合には、整形外科などへの受診をおすすめします。
「ヘルニアと言われたから一生このしびれと付き合うしかない」
と決めつける必要もありません。
まずは、
「本当に画像所見と現在の症状が一致しているのか?」
を確認することが大切です。
大阪市東成区大今里、今里駅・新深江駅周辺で腰痛や脚のしびれにお悩みの方は、キトキト鍼灸接骨院へご相談ください。
参考文献・引用元
・日本整形外科学会/日本脊椎脊髄病学会監修「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)」をもとにした診断ガイドライン解説
・The Essence of Clinical Practice Guidelines for Lumbar Disc Herniation, 2021: 3. Diagnosis. Spine Surgery and Related Research.
・World Federation of Neurosurgical Societies Spine Committee. Lumbar disc herniation: Epidemiology, clinical and radiologic diagnosis – WFNS spine committee recommendations.
・North American Spine Society. Clinical Guidelines for Diagnosis and Treatment of Lumbar Disc Herniation with Radiculopathy.
キトキト鍼灸接骨院のアクセスマップ
大阪市東成区大今里2-11-27 岡本ビル1F
地下鉄千日前線今里駅、新深江駅徒歩約10分
この記事の監修者

「身体を変える。未来を変える。」
キトキト鍼灸接骨院 院長 中土 育弘(なかつち やすひろ)
経歴
- 東洋医療専門学校 鍼灸師学科卒業
- 平成医療学園専門学校 柔道整復師学科卒業
- 明治東洋医学院専門学校 教員養成学科卒業
- 東洋医療専門学校 鍼灸師学科 専任教員
- 2023年10月 キトキト鍼灸接骨院 開業
