症状別コラム

五十肩

五十肩でお悩みの方へ

 

五十肩の症状

 

  • 肩を動かすと痛い
  • 背中に手が回らない
  • 頭の後ろに手が回らない
  • 夜寝ているときに肩の痛みが強くなる
  • 肩が動かせなくなった


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このような症状でお悩みではありませんか?

これらは、五十肩の典型的な症状です。

肩を動かすと痛くて、動かしたくない・・・

痛くて動かさずにいると、動かせる範囲(可動域)が狭くなってきます。

そしてだんだんと、頭の後ろに手が回らなくなり(結髪動作)、腰の方へ手が回らなくなり(結帯動作)、腕が上がらなくなってきます。

 

五十肩の原因・病態

つらい症状である五十肩の原因とは何でしょうか?

中年以降、特に50代によくみられる症状であるため、五十肩と呼ばれています。

肩の関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが加齢に伴う老化により、肩関節の周囲の組織が弱く、脆くなることで炎症が起きることが主な原因と考えられています。

また、お仕事やスポーツなどで活発に体を動かしている方は、肩の関節の動く範囲が大きいために骨以外の組織が引っ張られやすいことなども原因の一つと言われています。

肩関節の動きをよくする袋である肩峰下滑液包や関節を包む袋である関節包が癒着するとさらに動きが悪くなります。

また、糖尿病がある人は、そうでない人と比べて五十肩になりやすく、治りにくいことが分かっています。

糖尿病により血糖値が高い状態が続くと、関節包などを構成しているコラーゲンが硬くなりやすいためと考えられており、糖尿病のある人は五十肩の発症や悪化を防ぐためにも、食事や運動、薬などで血糖を適切にコントロールすることが重要です。

五十肩は経過に伴い、症状が変わっていきます。症状の軽減や早期回復、悪化の予防のためには、経過に合わせて肩の安静と運動療法を適切に使い分けることが大切です。

急性期(発症から2週間程度)

急性期は、痛みが強いものの、無理をすれば肩を動かすことができます。

痛みは、肩を動かしたときだけでなく、安静時や就寝時にも現れます。痛みを伴う動きは無理に行わないようにしましょう。

慢性期(6か月程度)

慢性期は、痛みは軽減しますが、肩が動かしにくくなります。無理に動かそうとすると痛みが出ます。

痛みが軽減してきたら、硬くなった肩関節をほぐすために肩の運動を行い、少しずつ肩の動く範囲(可動域)を広げていきます。

回復期(1年程度)

回復期は、徐々に痛みが軽減していき、次第に肩を動かしやすくなります。

しかし、数年かかる場合や、症状が残ることもあります。

この時期には、肩の可動域や低下した肩の筋力を取り戻すため、積極的に肩の運動を行います。

 

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五十肩の診断

圧痛(押さえて痛い)部位や動きの状態などをみて診断します。

肩関節におこる痛みには、いわいる五十肩である肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症のほかに、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂などがあります。

病院ではX線(レントゲン)撮影、関節造影検査、MRI、超音波検査などで区別します。

当院では、徒手検査(動かしてする検査)を行って他の疾患と鑑別を行い、判断します。

 

五十肩の治療法

五十肩は自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節が癒着して動かなくなることもあります。

痛みが強い急性期には、三角巾などで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、注射などが有効です。

急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。

これらの方法で改善しない場合は、手術(関節鏡など)を行うことがあります。

 

当院では

急性期では炎症が強く出ているため、炎症を引かせるために鍼灸治療を行います。

鍼灸治療は、悪くなっているところの血流循環を改善し、炎症を起こす物質を血流と共に流すとともに、自然治癒力を高めることで炎症を早く引かせるよう働きます。

慢性期以降は、肩の動きを改善させる運動やストレッチを行うとともに矯正治療を行うことで肩の動かし方を改善し、痛みが出にくい動かし方を身体に覚えさせていきます。

動かさなくて硬くなってしまった筋肉を緩めることで肩の動きを改善することも大切です。

何もしなくても改善することはありますが、肩が痛くなる前と比べて動く範囲(可動域)が狭くなってしまうことも多くあるため肩が痛くなる前の状態まで継続して施術していくことが大切です。

 

五十肩は改善まで1年半から2年ほどかかると言われている疾患です。

このつらい期間を短くし、痛くなる前の状態まで戻し、再発させないことを目標に施術していきますので、五十肩を含め、肩の痛みでお悩みの方は当院へご相談ください!